実験04:市民シンポジウム
地域と行政と大学が連携して取り組む、地方小都市のまちづくりのありかたを考える公開シンポジウムを開催しました。田村市のまちづくりについて、これまで取り組んできた各分野の専門家・地元で活動をされている方を招き、それらの取り組みを総合的に捉え、議論を深めました。田村市各地区でまちづくりをすすめていく地元住民の交流の場にもなりました。UDCT・東京大学の今年度の調査の中間報告、「まちづくり実験2008」全体についての報告を行い、パネリストにご意見や見解をいただきました。それらをベースにして、ワークショップ形式で、市民からの意見を集めました。さらにパネリストによるパネルディスカッションを行いました。
<当日の流れ>
1.はじめに・市長あいさつ
2.東京大学大学院+ UDCT「田村市船引町・滝根町調査に関する中間報告」
3.東京大学大学院+ UDCT「まちづくり実験の紹介」
4.東京大学大学院+ UDCT「船引基本計画の提案」
5.パネルディスカッション
「地域と行政と大学の連携による地方小都市の再生」
6.総括
議事録:
まちづくり実験2008 市民シンポジウム
~地域と行政と大学の連携による地方小都市の再生~
日時:2008年11月15日(土)13:30-16:30
パネリスト:
知野泰明 氏 日本大学土木史景観学准教授
藤本典嗣 氏 福島大学准教授
呑田理美子 氏 ファームハウス都路を経営
コーディネーター:
北沢 猛 氏 東京大学教授
参加者:
東大、行政、住民
13:30開始
田中大朗 東大研特任研究員 UDCT副センター長(以下:田中記名):シンポジウム進行説明
市長御挨拶:北沢先生との出会いとこれまでのプロジェクトの生い立ちについてご説明。<省略>昨年、まちづくりの委託をしました。まちづくりの第一人者としてご活躍の北沢先生と喜多方市にてお会いした。昨年は中心市街地の基礎調査、今年度は菅谷の調査。行政だけができるものではない。行政と学校、また地域の住民と一体となって、行う。何よりも熱意を持って、この地域の対応をしていくことである。菅谷には菅谷を元気にする会があり、菅谷の蔵を利用し、地域再生を図っているが、今回は、船引において、UDCTのとなりにて展示をして頂いている。新しい田村市に貢献市民の暖かいご支援を頂きたい。お忙しいところ有り難うございました。
田中:パネリストの紹介
北沢先生(以下、北沢記名):いつもお世話になっております。田村市との共同研究の経緯を市長からご説明頂きました。地域の中で、自立的、自発的に考えることが、地域の鍵を握っている。地方地域は端的に言えば、厳しい状況である。地域の中で知恵を出し合って、実行し、成功している町がある。先週、イギリス、韓国、台湾の専門家の地方の都市について同じような課題を持っていることを共有し、世界共通の課題であることを認識した。どういう可能性があるか、ということを、大学の研究として貢献していきたい。地域、行政、と大学とが連携して行うことが日本においてはあるようでない。この三者連携の関係を維持し、今後更に、計画を作っていきたい。そのために地域デザインセンターを設置。計画倒れにならないように、実行する仕組みをつくっていくことが必要となっている。今日は中間的な報告と、現行のまちづくり実験、今後の田村についての計画について話し合っていきたい。
中間報告
菊地原:東京大学菊地原です。15分程度にて去年と今年、これからの調査について、説明します。まずは船引地区です。昨年度は、中心市街地について、今年度は範囲を広げて広域的な調査を行ってきました。調査手法においては空間的な把握、ヒアリングを通じて実態を洗い出しました。中心と農村の関係性が大事。中心市街地と郊外の調査。町の特徴を空間的に洗い出しました。ロードサイド店舗、郊外状況を調査しました。例えば、移地区(地区中心)は敷地的に蔵との関係性に特徴がある。住宅、商店、空き店舗の所在を整理しました。旧船引町の構造把握。景観構造。ワークショップを昨年度は四回に分けて行いました。船引意見交換会によって、可能な提案を配列しました。次は滝根町について説明します。滝根の観光について再び考える機会をワークショップ通じて観光の重要さを改めて再確認。子供とのワークショップを通じて子供の視点からの町を知りました。
基本方針の説明をします。<省略>これを踏まえて、基本計画を説明します。<省略>
まちづくり実験について(最終的には基本計画に反映させる予定)
田中:基本計画から、実行可能なプロジェクトをまちづくり実験として行っております。
まちづくり実験実行委員会を設立。ご説明。<省略>
星先生:栄町の商工振興会の代表。本気ですれば、大抵のことはできる。本気ですれば、なんでもできる。本気ですると、誰か助けてくれる。本気でおこなうことは本気で偉い。机上の空論でなく、実行することが大事である。今までご協力があってここまできました。ありがとうございました。
田中:実行委員のメンバーの紹介。空き店舗による市民活動展。まちなみペイント。田村百景、市民シンポジウム、タウントレイル、快適街路実験、イルミネーション、田村味自慢、アーティスト滞在のお知らせ(実験1)。
ヤング荘 津山、キタカデ:
こんにちは。横浜の方で活動をしております。ヤング荘という3人組のユニットを組んでおります。横浜のバンクアートのグラフィックデザインを行っております。今回は田村市をグラフィックデザインの力で何かできればと思っております。
田中:みかんぐみ 竹内さまの紹介、 東京大学研究員 太田浩史の紹介
田中:まちづくり実験関係者の説明 みやび
菅谷を明るく元気にする会の柳沼様:上からではなく、我々で行うこと。無いものを探しましょうという観点からやっております。今後とも宜しくお願いします。
船引高校教頭 目黒先生:高校からまちづくりの実験に参加しました。高校生有志によるまちなみペイントを行いました。これからも子供もまちづくりに参加します。
14:30
パネルディスカッション
知野泰明 氏 日本大学土木史景観学准教授(地域経済)
藤本典嗣 氏 福島大学准教授(景観)
呑田理美子 氏 ファームハウス都路を経営(コミュニティービジネス)
北沢:地域の文化を見直す。伝統的な文化を見直す。新しいビジネスを起こしたり、文化的な資源を活用する。地方の財政一つをとっても厳しい状態にある。地震を持つ。最初にパネラーからそれぞれの経験を踏まえて、田村のいい面悪い面、今後のためのご提案をお願いします。
呑田:都路でファームハウス都路の運営をしております。(18年)田村市になってから、市民の日常の生活の把握をしておりました。農林事務所の地域の協力を受け、実態をしっている。都市部に住んでいる方々よりかは農村についての知識がある。仲良く、喧嘩しながら検討を進めている。町からの人口の流出が問題となる。新人類を歓迎し、色々なよい条件を提示して、農業を主流にして、入って頂いた。そもそも農業で人が居なくなったのは、農業がうまくいかなかったから。素人が介入しても困難である。資金面はないが、人的な協力があった。それをいかして定着化させた。経済的に自立させることが可能という方が入ってくる。生活面での自立が非常に大事。自分の生活は自分で守る。これが底辺。最低条件。まちおこしではなく、まちのこしである。まちは既に作られている。まちつくるのではなく、元気な町を残そうという発想が大事である。それと同じように、都路が消滅する危機から、町を残すための考えをコンセプトに活動を行う。市民の力が大事である。行政は助けてくれるが、行政が先導を旗振りして行う時代ではない。ここに現在あるものをどう残していくか。横につながる必要性がある。手をつないでいく必要がある。プロの商店街の人たちがいる。何をしているのか、疑問に思う。プロの農業者が回りにいる。私たちは仲がわるかった。商売が下手な農家が売っても駄目。プロの集団として、プロが集まって、協力することが大事。プロが集まれば収入が増える。やはり、手をつないで、その地域の力を3倍にも4倍にもしたい。人的な交流。田村市の関係、親戚関係の座讒謗親戚。葬式の時だけ人が集まる。座讒謗親戚ではなく、協力する。
北沢:山岳地帯において、具体的に何をしたのか。
呑田:古い農家を解体して活用した。親戚の
北沢:都会からのIターンが増えているが、どこに住むのか情報がなく、失敗例も。地域の情報が大事。
藤本:昨年度、18年ぶりに福島大学に戻った。一度外に出ると、いい面が見えてくる。地方の小都市、中心市街地、人口10万以下の都市。デパートが出来ない人口。なぜ。要因は農業、林業、建設業の停滞。お金が少なくなってきている。オフィス、雇用の場が少なくなっている。広域衰退。仙台でも企画、財務、人事が撤退。営業部隊のみが残る。オフィスがなくなっているのは全国的に起きている。二つの点で可能性がある。地方小都市、実験的なまちづくりが行いやすい。危機感があるため。郡山にしろ、仙台にしろミニ東京。沖縄の那覇市は特徴があるが、ほとんどが東京のミニチュア。人口2,3万にしろ、元気なところが多い。元々土壌がある。価値観の変化。宮城県は田園地帯が広がっている。農業中心の郊外は、例えば、仙台の駅前にパルコやアウトレットモール。自然に対する価値観が変わっている。自然に対してお金が払われる時代になっている。台湾は8割親日的。台湾人、韓国人、シンガポール人は日本の北海道等、自然が豊富な地帯に行きたいと言っている。九州別府温泉。中国人は東京、大阪に行きたがる。
経済の成熟化。経済の融通が利かない。
観光客による収入還元。成功例は湯布院は、もともともっと寂しかった。地元の外部の大学とか、旅館とか、情報を活用して、マーケット化し、まちなみを作って、整備すれば、成功する。そのためのリサーチが大事。非営利団体による情報が大事。ここに住んでる人にわからない、外からの魅力を活かす。
北沢:大学は知恵があるのに、その知恵を上手く、社会に還元するのが難しい。その場所を欲している。
知野:今日は車で来ました。大学では土木を教えております。建物が群れとしか見えない。風景の話しをします。景観の定義。土木の立場からすると、景観の議論をすると、景観構成要素の話をします。地域全体を見通して、大きく見ます。そこで構成されてきたものは、歴史的な経緯を経て、作られてきている。外の人に来てもらいたいという気持ちがある。船引の風景は素晴らしいと感じている。昔は1000年前の坂之上の田村丸からの歴史がある。どれだけ、地域の人が知っているのか。歴史、意味合いを残すことの重要性になる。意味合い、場所の違い、時間の積み重ねを地域の人が把握し、その蓄積からストーリーを作ることの重要性。昔あった、見えないものを把握して、次世代に、バトンを渡すことの重要性。ほかの地域にないバトンを次世代に渡すことが大事である。
北沢:地域の歴史の重要性。自分のまちの町史を読んだことがある人はどれだけいるのか。それらを勉強した上で、将来を語る。
市長:全国の都市は。三画:市、大学、住民の連携が大事。行政の役目とは歴史的に大事なものを残すこと。考え方を間違えると、食い違いがある。行政も学校も、市民、町民の意見をくみ上げる必要がある。横の連携が必要。お世話になっております。
北沢:地域、住民の自立とその行政からのサポート。資源:自然、歴史、経済価値を見直すことの必要性。
15:10
休憩
15:30
地域コミュニティーについて
呑田:19程の団体の団結力が強い。地域のコミュニティーが壊れているといっている。本当は残っている。昔よりかは希薄になっている。徒歩が少なく、車の移動により、コミュニケーションがなくなっていることは確か。生活上の変化のスピード感に対して、コミュニティーが対応していない。お茶の時間が少なくなっている。60代の方が、新婚にて、炭焼きを山にて行う。
北沢:伝統的なコミュニテイーがあるが、高齢化している。しかし地域的なネットワークがまだある。コミュニティーの力をあげていくことの方法何かありますか。
藤本:石油産業。ガソリン産業を見てみても、行政をトップにした縦型社会になっていて、コミュニティーがそれを従う構造になっている。今後は逆に個人個人が横の繋がりを作る必要がある。横のつながりが地域の人間関係を作る重要性とマーケット構築の利用方法がある。
北沢:ネットワーク、縦型社会の課題についてお考えでしょうか。
知野:河川を見てみると、昔はコミュニティーがやるべき仕事があったのに対して、近代になってから行政に頼るようになってしまった。素直さと楽しさが大事である。勉強は自分を強いて勉すると書くが、もっと素直さを大事にする必要がある。
北沢:個々のプロのネットワークの術がない。行政にすべて任せるようになってしまった。
行政のプロと地元のプロとの置換の出し方が大事になってくる。
市長:行政との役割としては情報の整備が大事になってくる。地方同士の横の連携が大事。最低の整備はしなければならない。例:光ファイバー
市民の提案
北沢:
ばあちゃんの店(ばあちゃんが経営するお店)
高校生が運営する店(例:三重県)
農業を活かす 農家に泊まる、都会から来る人に対して、何が出来るか。
藤本:東北は人脈の交流において有利。首都圏の方々の2割は東北出身。人を呼び戻すポテンシャルがある。推計で一千万のつながりがある。民間側より例えば、商工が先導し、行政が手助けするシステムが必要。
北沢:個々に住みたい人に届くか課題である。しかし、田村市出身の人が情報ステーションの役割を担える。
池田:月に1度、船引に帰る。本籍は船引、住民票が東京の二地域居住者だ。田村のことをインターネットで調べた時、田村の情報がほとんどないことに気づいた。そこで情報発信の必要性を感じ、ネット動画による田村からの情報発信を開始。今回はまちづくりに協力。まずUDCTの認知度を上げる必要性から、田中副センター長へのインタビューを通してまちづくり実験などの情報を発信している。ネット上、SNSなどで知る限り、自分の出身町の名のもとに多くの人が集まっている。田村出身の人は田村が好き。そういう人々にむけても、積極的に情報発信を行うべき。ふるさと納税などのきっかけにもなるのでは。また、田村の観光・物産案内のパンプレットなどは田村圏域内に止まっている。東京では見られない。小沢の桜を見に来た観光客に、田村市のHPには泊まるところの情報がないと言われた。そういう情報がないから観光客は素通りして帰ってしまう。それは田村生まれとして悔しい。みな、本当にもっと情報を欲しがっている。
北沢:情報の整備の必要性がある。口コミの情報も大事。
周辺との農との関係。商業の可能性について見直す必要がある気がする。
藤本:町を長い目で見てみると中心市街地に商業圏が回帰している。街中の整備をし、準備をする必要がある。まちなみを今日見て、思った。デザインにしろ、オレンジが目立つ。デザインによって変わる。目新しいものを感じた。外部からいかに人を呼ぶか。Web上の管理の問題。農との関係。農業中心でありながら、高齢化があまり進んでいない。敷地の面積が多い。若い世代:長男代は残っていることによって、高齢化から抑制できた。
農があるからやっていけること。中心市街地を目当たらしことをしていく必要性。
知野:私が生まれたころ、大店舗が出てきて、小さな店舗がつぶれ、現在はその逆の傾向にある。コミュニティーエリアの自覚と、地産地消の展開。シャッター街にて勝負するには、貸家にする覚悟が必要。買い手と売り手が覚悟し合うこと。売買関係の中でサービスの鉄則を作る必要がある。覚悟のエリアを決めることの大切さ。
北沢:いかに自分たちの地域にこだわれるか。地域の中での繋がりを大切にする。覚悟を決めてやること。
呑田:地元のシミズストア、常盤が頑張っている。地元の力を作るため、地元で投資をする。田村市全体でなにかをするというのは、お金を溜め込む必要がある。船引の地域の高齢者を遠い老人施設に入れたくない。できるなら、船引の駅前に施設を作りたい。友達と同じ地域に住むことが大事になってくる。歩いて、買い物が出来る地域を作る必要がある。配達制度をして、地域の物資を配達業が勤める。電動カートを地域で管理し、乗り捨てに対応したシステム構築をする。自分の老後を考えて、歩いて住める地域を作る必要がある。
北沢:生活を重視した地域の構築が必要。買い物のしやすい町をつくる必要がある。調査によるとサービスが地元なら可能となる。商店街がスーパーと対抗するのではなく、サービスで差異化を図ることが重要である。
白井:非常に勉強になりました。電動カートの件も昔考えた。このままあと、十年たてば、駄目である。このゆびとまれ、という会を作った。今後の活動に、皆様ご協力下さい。
市長:田村市のネット情報に関して、担当職員を作って管理していきたい。商業、農業も、危機感を感じている。まちづくりのこの気風を活用して対応していきたい。農と商と、高齢者の対応する必要がある。歩いてすめる町をつくる必要がある。行政として支援したい。
北沢:商店街の中に、文化の大切さ、花、陶芸家が参加してゆく。文化がある町ということを伝えていく必要がある。新しい公共的な施設センターを作る必要がある。実験の結果を踏まえて、計画作りに反映させていきたい。田村全体を考えたデザインをしてゆく必要がある。
田中:連絡事項。閉め。
